ストーリーのあるワインと暮らし

Wine & Story

ブルゴーニュ注目ワイナリー – 9 –ヴィトー・アルベルティ
ブルゴーニュの代表的クレマン

(2014.06.09)
ジェラール・ヴィトーさんと3代目になる娘のアニエスさん
ジェラール・ヴィトーさんと3代目になる娘のアニエスさん
ブルゴーニュのスパークリングワイン

クレマンとは、要するにスパークリング・ワインであるが、AOCクレマン・ド・ブルゴーニュを名乗るには、シャンパーニュと同様の細かな規制に適応していなくてはならない。伝統製法で、瓶内二次発酵をさせ、ルミアージュ(瓶を回転させる)、デゴルジュマン(澱を取り除く)もやった、シャンパーニュ並のスパークリング・ワインということである。その基準にあわないものは、ヴァン・ムスーという格付けになる。

ヴィトー・アルベルティは、クレマン・ド・ブルゴーニュ専門のドメーヌである。今回、現地で行った三ツ星レストラン、ラムロワーズで聞いた話だが、ブルゴーニュの人はあまりシャンパーニュを飲まない。泡はいつもクレマンだという。そして、ラムロワーズで行われたプルゴーニュワイン委員会主催のディナーでは、アペリティフとデザートワインに、このドメーヌのクレマンが出された。これまで私はクレマン自体に馴染みがなかったが、現地ではシャンパーニュに負けない評価がされており、ヴィトー・アルベルティは三ツ星レストランのお墨付きブランドということらしい。ブルゴーニュでも、このドメーヌがあるコート・シャロネーズあたりのブドウは、コート・ドールほどブドウが熟さず、酸とミネラルが強く出る。クレマン造りもそういうブドウの特性を生かしたワイン造りだ。このドメーヌが持つ畑は13ヘクタール、コート・シャロネーズと、ボーヌでも標高の高いオート・コート・ド・ボーヌにあり、クレマンに最適な畑であるという。

 ジャイロパレットというルミアージュを自動でする機械。約500本を逆さに詰め、様々な角度に傾けて二次発酵の澱を瓶の口に集めていく

ジャイロパレットというルミアージュを自動でする機械。約500本を逆さに詰め、様々な角度に傾けて二次発酵の澱を瓶の口に集めていく

デゴルジュマンはこの機械で行う
デゴルジュマンはこの機械で行う

ジェラール・ヴィトーさんはフランスの法律に則り60歳で引退した
ジェラール・ヴィトーさんはフランスの法律に則り60歳で引退した

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ブルゴーニュ・ムスー・ルージュ・ブリュット
クレマン・ド・ブルゴーニュ・ロゼ・ブリュト
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クレマン・ド・ブルゴーニュ・キュヴェ・スペシャル・アニエス

ルージュとロゼはピノ・ノワール100%。ブランは、ピノ・ノワール40%、シャルドネ40%、アリゴテ20%。ブラン・ド・ブランはシャルドネ80%、アリゴテ20%。アニエスはシャルドネ100%。蔵出し価格は10ユーロ程度が中心。品質との比較で考えるとかなり安いと思う

Vitteaut Alberti