ストーリーのあるワインと暮らし

Wine & Story

ブルゴーニュ観光案内 – 6 – シャトー・ド・ムルソー
お祭りの主役にもなる観光ワイナリー

(2014.06.11)
ブルゴーニュで最も美しいシャトーである
ブルゴーニュで最も美しいシャトーである
ワイン祭り「栄光の3日間」の晩餐会会場

ブルゴーニュにもわずかだかシャトーを名乗るドメーヌがある。このシャトー・ド・ムルソーと、シャトー・ド・ポマールが代表格で、ともに見学可能な観光ワイナリーである。だからといって侮るなかれ、こちらは毎年11月の第3土曜日から3日間にわたって行われるブルゴーニュ最大のワイン祭り「栄光の3日間」のフィナーレ会場にもなる由緒あるシャトーである。最終日はムルソーの村で「ポレ(Paulee)」と呼ばれる大収穫祭が行われ、そのフィナーレとなる晩餐会が開催されるのだ。シャトーの見学は有料、テイスティング込みのコースが設定されている。建物は優美なもので、14〜16世紀に建造されたシトー派様式の天井を持つ地下カーヴが有名だ。テイスティングはカーヴの中で行われ、白3種、赤4種、計7種類を飲むことができる。複数ヴィンテージを揃えていて、垂直試飲も可能だ(要予約)。

ドメーヌとしては、60ヘクタールの畑を持つ大手で、シャトーの敷地内にあるムルソーの畑以外にも、様々なエリアに畑を所有し、20のアペラシオンを揃えている。ワイン造りは品質重視で、複数区画のワインをブレンドするというブルゴーニュでは珍しい手法を取っている。たとえば、シャトー・ド・ムルソー・プルミエ・クリュというワインは、ともにプルミエ・クリュの畑であるムルソー・シャルムの4つの区画と、ムルソー・ペリエールの2つの区画のワインをブレンドして造る。ボルドーのシャトーのように、ワインをブランドとして捉え、クオリティの高いワインをある程度の量を造り安定的に供給するためだ。それぞれの区画のワインは別々に醸造され、瓶詰め前にブレンドされる。また、通常のブルゴーニュタイプの瓶よりもさらに太い、古いスタイルのブルゴーニュ瓶を使用しているのもここだけの特徴だ。

端正なシャトーの正面玄関。予約なしで訪問可能
端正なシャトーの正面玄関。予約なしで訪問可能
シトー派様式の天井が特徴的な地下カーヴ
シトー派様式の天井が特徴的な地下カーヴ

シャトーの前面にはムルソーの畑が広がっている
シャトーの前面にはムルソーの畑が広がっている
bourgognesights06_05
ドメーヌのおすすめワイン、右から
ブルゴーニュ・シャルドネ・テロワール・デクセプシオン
シャトー・ド・ムルソー・プルミエ・クリュ
ムルソー
ボーヌ・サン・ヴィーニュ・プルミエ・クリュ
ボーヌ・グレーヴ・プルミエ・クリュ

テロワール・デクセプシオンは、シャトーでしか飲めないスペシャル・キュヴェ。ムルソー1級のクロ・デ・ペリエール(グラン・クリュ申請中)のすぐ上の石切場に連なる畑で、格付けはないが特別な個性を持つ

Château de Meursault