イタリア銘醸ワイン案内モダンアートとワインの関係
カ・デル・ボスコ
(2018.05.10)

ワイン造りは農業だという生産者も多いが、ブランドビジネスの側面もある。特にシャンパーニュのマーケティングでは、ハイブランドの手法そのままに、有名アーティストや人気クリエイターを起用したプロモーションがごく普通に行われている。また、そうした感覚を持つワイナリーは、オシャレカルチャーの担い手であり、アートのパトロン企業でもある。そのイタリアの代表が、カ・デル・ボスコだ。
エルブスコ彫刻の森美術館
カ・デル・ボスコは、ミラノから東に70キロのエルブスコという村にある。フランチャコルタと呼ばれるイタリアきってのスパークリングワインの産地で、カ・デル・ボスコはその元祖にして中心的なワイナリー。オーナーのマウリツィオ・ザネッラは、フランチャコルタのイメージ・リーダーだ。
カ・デル・ボスコは、ワインも洗練されたイメージがあるが、ワイナリーもまたすばらしい。間違いなく、イタリア随一。設備もすばらしいが、なにより建築も植栽もすべてが美術館のようにデザインされているのがすごい。そして、要所要所に配置された、モダンアート作品。しかも、アルナルド・ポモドーロやイゴール・ミトライなど、人気作家の大作ばかりだ。ビジネスで成功してアートに走る人は多いが、作品の収集ではなく、現代作家に制作を依頼するというスタンスがすばらしい。そのあたりに、マウリツィオ・ザネッラのセンスよさがうかがえるが、おカネのかけ方も半端なものではないだろう。以下、写真でじっくりご覧いただきたい。












