ブルゴーニュ注目ワイナリー -1- ドメーヌ・ベルターニャ
コート・ドールのフィネスの結晶
(2014.04.20)
いいワインは高い。当たり前といえば当たり前だが、ブルゴーニュは高すぎるのではないか。ワイン雑誌で特集されるようなワインは簡単には味わえない。考えるべきは、値段とクオリティのバランス、だからワイン選びは難しい。いま、注目すべきは、新しいワイン造りに挑む新進気鋭の造り手、名門復活を目指す忘れられた老舗。知られざる実力派ワイナリーを探す旅。
テロワールをそのまま表現
ドメーヌ・ベルターニャは、コート・ドールのど真ん中、クロ・ド・ヴージョ城の門前にクロ・ド・ラ・ペリエールというモノポール(単独畑)を持つドメーヌだ。ヴージョ、シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュ、モレ・サン・ドニなどに、特級と1級の畑をあわせて14ヘクタール、他にオート・コート・ドゥ・ニュイにも畑を所有する。このドメーヌは1940年代後半に設立され、1982年からは、モーゼルでワイン造りを行うドイツのレー一族によって運営されている。それ以来、丁寧な仕事で品質向上に取り組んできた。1987年からは一族の女性エヴァ・レーさんが指揮している。
ワイン造りは、ビオで栽培、適葉、芽かき、剪定など、畑での仕事を重視、手摘みで厳しく選果、100%除梗してコールド・マセラシオン。赤はステンレスタンクでの発酵。新樽比率は35%、グランクリュで50%。これはブルゴーニュではごく普通、もはや古いといわれる醸造スタイルだそうだ。ベルターニャならではのワイン造りの特徴はなにかと問うと「なにもない、特徴のあるワインは造りたくない」とのこと。テロワールを素直に表現することだけを考えているのだろう。ワインは果実味あふれるタイプ。端正で、畑の素性のよさからくるフィネスを十分に感じることができる。個人的には、ブルゴーニュの中でも最も好みのタイプだ。特にプルミエ・クリュのクロ・ド・ラ・ペリエールは、傑出したワインだと思う。