ストーリーのあるワインと暮らし

Wine & Story

ブルゴーニュ注目ワイナリー -10-ドメーヌ・トゥロー・ジュイヨー
新進気鋭のメルキュレ職人

(2014.06.16)
ナタリー・さんとジャン・クロード・トゥローさん
ナタリー・さんとジャン・クロード・トゥローさん
メルキュレの土地へのこだわり

こちらは、コート・シャロネーズのメルキュレ村のドメーヌである。メルキュレは赤ワインが中心のエリアで、コート・シャロネーズの中でも最も骨格がしっかりした複雑味のあるワインだと言われている。エリア内でも土壌の違いがあり、粘土石灰質と白い石灰質土壌がモザイク状に複雑に入り組んでいる。また青い粘土質の土壌もあるという。メルキュレの畑は全部で600ヘクタール、それを360人が所有し、35の生産者がワイン造りを行っている。ということは、ブドウをネゴシアンに売ったり、畑を貸したり、折半耕作だったり、様々なワイン造りの形がある。

ドメーヌ・トゥロー・ジュイヨーは、メルキュレに12ヘクタールを所有し、自家栽培のブドウだけで造るドメーヌだ。以前はエミール・ジュイヨーと名乗っていたが、1997年に代が替わり、一族のナタリーと夫ジャン・クロード・トゥローが引き継いだ。おじいさんはメルキュレの村長だったという家系で、村の中心に小さなドメーヌを構え、メルキュレ造りにこだわっている。

ワイン造りの特徴は、メルキュレの個性でもある土壌のキャラクターの違いをきちんと出すこと。畑では、肥料を使わない自然派の考え方。発酵はホーローのタンク、木製の発酵槽も使うが、赤でも最初から228リットルのブルゴーニュ樽にマストを入れる樽発酵が中心。また、228リットルの樽だけでなく、400リットルの少し大きい樽も使用するなど、新しい技術の導入にもなかなか積極的。また、2004年のブドウは酸が強かったことから、クレマンの醸造にも乗り出した。ジャン・クロード・トゥローさんの意欲的な取り組みが、評価を上げている。

メルキュレの丘は林の間を風が通る。その下に畑が広がっている
メルキュレの丘は林の間を風が通る。その下に畑が広がっている
土壌の違いは見た目にもはっきりわかる
土壌の違いは見た目にもはっきりわかる

樽発酵中心だが、ステンレス、ホーローの発酵槽など様々なものを試す
樽発酵中心だが、ステンレス、ホーローの発酵槽など様々なものを試す

400リットルの大きめの樽も使用している
400リットルの大きめの樽も使用している

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ドメーヌのおすすめワイン、右から
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・シャン・マルタン
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・コンバン
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・ヴェレ
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・カイヨット
メルキュレイ・プルミエ・クリュ・レ・ヴェレ

シャン・マルタンとレ・コンバンは白い石灰質土壌でフィネスのある複雑なタイプ、レ・ヴェレとレ・カイヨットは粘土石灰質で力強いタイプ

Domaine Theulot Juillot