ストーリーのあるワインと暮らし

Wine & Story

イタリアワイン・ランキング ガンベロ・ロッソが選んだ
イタリアのベストワイン 2026

(2026.01.01)
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今年も、ガンベロ・ロッソ(Gambero Rosso)の東京テイスティングが開かれた。この試飲会は、ガンベロロッソ社が発行する世界的に権威のあるイタリアワインガイド『ヴィーニ・ディタリア』2026年度版の発刊を記念して、各国を回る恒例のイベントだ。最高賞の「トレ・ビッキエーリ (3グラス) 」を受賞したワインを目玉に、イタリアワインの実力を世界にアピールする狙いである。トレ・ビッキエーリ試飲会では、受賞ワイン他、高品質なイタリアワインが数多く紹介された。

また同日、ガンベロロッソの『ヴィーニ・ディタリア』編集長であるマルコ・サベリコ氏、及び、日本語版の翻訳を担当してきたワインジャーナリストの宮嶋勲氏による、特別賞セミナーも開催された。ここでは、セミナーで取り上げられた、2026年版最高峰ワインを紹介する。

 
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特別賞セミナーの登壇者は、ガンベロ・ロッソ編集長のマルコ・サベリコさんと、ワインガイド日本版翻訳者の宮島勲さん。

スパークリングワイン・オブ・ザ・イヤー
フランチャコルタ ブリュット・ナチュレ 2021 / ボジオ
スパークリングワインの最高賞には、ボジオ家のフランチャコルタが選ばれた。お爺さんから引き継いだ畑で、30年間研鑽を積んできたワインだ。ワインは、ボジオのトップキュヴェではなく、ドサージュゼロのブリュット・ナチュレである。このブリュット・ナチュレが選ばれるところが、最近のガンベロ・ロッソの傾向を反映している。強すぎない、バランスのいいワインの評価が高まっている。シャルドネをベースにピノ・ノワールを30%ブレンドしたこのワインは、クリーンでフローラルでフレッシュ、柑橘のトーンが感じられ、クリーミーで深みのある味わい。フランチャコルタのアペラシオンの真髄を体現している。

Franciacorta Brut Nature ’21 / Bosio
Franciacorta Brut Nature ’21 / Bosio
白ワイン・オブ・ザ・イヤー
ロエロ・アルネイス・レネージオ・インチーザ・リゼルヴァ 2020 / モンキエロ・カルボーネ
白ワインの最高峰は、フランチェスコ・モンキエロのロエロ・アルネイスが選ばれた。赤ワインの土地であるピエモンテの白が最高賞に選ばれるのは、かなり珍しいのではないか。フランチェスコ・モンキエロは様々な醸造・熟成技術を通して、アルネイス種の長期熟成のポテンシャルを探求してきた。このワインはリゼルヴァであるが、そもそもアルネイスでリゼルバヴァを名乗ること自体が珍しい。ごく稀なアプローチである。またこの研究は、レネージオという丘で始まった。この丘の名前はアルネイスという名に由来するという説があり、いわばアルネイス誕生の土地での新たな一歩である。それが単一畑のワインとして、長期熟成ワインとして、結実した。フレッシュさを保ちつつ、瓶内熟成によって優雅な味わいを身につけている。

Roero Arneis Renesio Incisa Riserva ’20 / Monchiero Carbone
Roero Arneis Renesio Incisa Riserva ’20 / Monchiero Carbone
ロゼワイン・オブ・ザ・イヤー
チェラスオーロ・ダプルツツォ・バルドヴィーノ 2024 / テヌータ・イ・ファウーリ
ガンベロロッソが、ロゼワイン・オブ・ザ・イヤーの選定を始めたのは最近のことだ。それは、近年のロゼの世界的な流行と、イタリアでもガルダ湖周辺で新しいロゼが台頭してきたためだ。その文脈で語られるロゼワインは、ファッショナブルでモダンなイメージなのだが、このワインはまったく違う。南イタリアの伝統的なロゼ、チェラスオーロと呼ばれるワインである。プロヴァンス的な白ワインのような淡いロゼの流行とはまったく無縁の、アプルッツォ州で「うすい赤」の位置付けで飲まれてきたチェラスオーロそのものである。バルドヴィーノは、チェリーのような濃い色合いとしっかりとした骨格を保ち、肉厚で風味豊か、そしてバランスのいいワインである。イタリアの伝統ロゼワインの頂点と言えるだろう。

Cerasuolo d’Abruzzo Baldovino ’24 / Tenuta I Fauri
Cerasuolo d’Abruzzo Baldovino ’24 / Tenuta I Fauri
赤ワイン・オブ・ザ・イヤー
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2020 / ジオド
赤ワイン・オブ・ザ・イヤーは、高名なエノロゴである、カルロ・フェリーニのワイン。彼は長年にわたり、イタリアの各地で数々の素晴らしいワインを造り続けてきた。そして現在、娘のビアンカと共に、モンタルチーノにある小さなワイナリーで、自前のワイン造りに勤しんでいる。2000年代、世界中で濃いワインがもてはやされた時期、彼も濃いワイン造りの代表だったはずだが、このワインはちょっと違う。うすいというと語弊があるかもしれないが、濃くなく、優美でエレガントである。いまや、トスカーナでもピエモンテでも、濃すぎるワインは流行らなくなってきているから、当然かもしれない。「ジオド ’20」は、複雑で優雅なアロマ、豊かで深みのある骨格、そして魅惑的な調和と繊細さを兼ね備えたワインである。このワインは、彼の生涯にわたるサンジョヴェーゼへの情熱の集大成かもしれない。

Brunello di Montalcino ’20 / Giodo
Brunello di Montalcino ’20 / Giodo