ストーリーのあるワインと暮らし

Wine & Story

カリフォルニアスタイル 食卓でも屋外でも、ロゼ
シチュエーションを選ばないワイン

(2014.04.22)

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ロゼの一番の魅力はその美しい色合いと気軽さ。皆でわいわいと料理をシェアするテーブルはもちろんのこと、ひとりゆっくりと摂る昼下がりのランチと、気分によって愉しみ方は自由。さらに室内、屋外を問わず、そのときどきのシチュエーションにぴたりとはまる。
淡い桜色から濃い目のサーモン・ピンクまで、
美しい色調で魅了してくれるワイン、ロゼ

美しい色合いのロゼは、その色調の印象通りアルコールのパーセンテージも低め。タップリとした白や重い赤に較べると1~2パーセントほど下がり、11~12パーセント台。このバランスが料理にも合わせやすく、和洋中のほとんどをカヴァーしてくれる。

そして、カリフォルニア・ロゼはヴァラエティに富んでいる。ぶどう品種もカベルネ・ソーヴィニョンからピノ・ノワール、カリフォルニア特有のジンファンデルもあればイタリアのサンジョヴェーゼまでさまざま。さらに製法もステンレスのタンクのみで仕上げるワイナリーだけではなく、しっかりと樽熟成させるつくり手などもあり、これもカリフォルニアらしく自由。

新たな飲み方の発見としては、重い赤が続いた後のロゼ、これがいける。まったく異なるステージに連れていかれるのではなく、赤の余韻を残しながら、リフレッシュしてくれる。ロゼの愉しみ方、まだまだ広がりそうである。

ベリンジャー・ヴィンヤーズ (Beringer Vineyards) Napa
ナパで最も古いワイナリーが生む甘酸っぱいロゼ、ホワイト・ジンファンデル

1880年代後半、ドイツからわたってきたベリンジャー兄弟によって創業したワイナリーは、現在ではナパで最古の歴史を誇るひとつ。そんな同社が30年ほど前に発表した、世界的ヒット商品がこのホワイト・ジンファンデル。透明感のあるサーモン・ピンクの美しい色合いの、きれいな酸味がほのかな甘味と合わさる非常に口当たりのいいロゼで、女性好みのワインといわれるが、実は男性にも根強いファンが多い。その名の通り、ブドウはジンファンデルを使用(年によっては少量のマスカットも用いる)。4時間ほどスキン・コンタクトをおこない、きれいなロゼ色になったところで、果皮を引き上げ、ステンレスのタンクで発酵、魅力的なホワイト・ジンファンデルができあがる。なお、よりフレッシュさが愉しめる、発泡性のスパークリング・ホワイト・ジンファンデルもある。

1883年に建てられたラインハウスはワイナリーのシンボルとしてテイスティング会場などに使用
1883年に建てられたラインハウスはワイナリーのシンボルとしてテイスティング会場などに使用
ほのかな甘味が心地よいホワイト・ジンファンデル
ほのかな甘味が心地よいホワイト・ジンファンデル
カモミ・ワイナリー (Ca’ Momi Winery) Napa
自社産ワインを自前の店のお皿と合わせて愉しめるナパのワイナリー

2006年設立とまだ10年に満たない若いワイナリーのオーナーは3人のイタリア人で、建物と畑はカーネロスにあり、そこでワインを生産するが、それとは別にナパの町の中心にあるオックスボウ・パブリック・マーケットのなかに、カモミ直営のイタリアン・レストランがある。食材はイタリアからの取り寄せ以外は、地のものが中心で、それもオーガニックにこだわり提供。そして、ワインは当然カモミの泡に白、赤が揃っていて、ボトルだけでなく、バイ ザ グラスでもスタンバイ。ロゼ・スパークリング(名前はカ・ローザ)は、ピノ・ノワールにシャルドネなど数品種のブレンドで、イタリアのプロセッコのようにシャルマー方式で造られる。11.5パーセントとアルコールも低めなタイプで、どのイタリアンの皿にもよく合う。

ピノ・ノワールにシャルドネなど数品種からつくられるロゼ・スパークリング
ピノ・ノワールにシャルドネなど数品種からつくられるロゼ・スパークリング
お店はナパの中心部、オックスボウ・パブリック・マーケットにある
お店はナパの中心部、オックスボウ・パブリック・マーケットにある

コパン・ワインズ (Copain Wines) Sonoma
ピノ・ノワールとシラーに特化したワイナリーが生む、水準の高いロゼ

ワイナリーの名称のコパンとは仲よし、相棒を意味するフランス語だが、共同経営者でワイン・メーカーのウェルズ・ガスリーはフランスのローヌとブルゴーニュでワインづくりの研修をおこない、その後ソノマの中心部ロシアン・リヴァー・ヴァレーに1999年、ワイナリーを設立。まだ新しいワイナリーながら産するピノ・ノワールとシラーの評判は高く、入手は困難を極める。このロゼはソノマの北、より冷涼な気候のメンドシーノ・カウンティのアンダーソン・ヴァレーでオーガニックにより栽培されたピノ・ノワールを用い、上のクラスのセニエ果汁と合わせ、ステンレスのタンクで発酵、熟成してつくられる。原料ブドウがピノ・ノワールと分かる仕上がりのロゼで、赤のピノ・ノワールやシラーの水準を彷彿とさせるもの。

冷涼な産地、アンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールからつくられるロゼ
冷涼な産地、アンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールからつくられるロゼ

ワイン・メーカー、ウェルズ・ガスリー。日本酒も大好き
ワイン・メーカー、ウェルズ・ガスリー。日本酒も大好き
エチュード・ワインズ (Etude Wines) Napa
クリスマスのターキーと合わせたいロゼはしっかりしたストラクチャー

ナパで最も南、カーネロスにワイナリーと畑は位置し、上質なカベルネ・ソーヴィニョンもあるものの、ピノ・ノワールで高い評価を得ているエチュード。自社畑は120ヘクタール以上の広さがあり、ロゼはなかでも最も冷涼なブロックの樹齢10年以上のピノ・ノワール100パーセントでつくられる。このロゼ、発酵はステンレスのタンクでおこなうものの、4ヵ月ほど樽熟成もさせている。爽やかな季節に多く取り上げられがちなロゼだが、その美しい色調はクリスマス・シーズンにも馴染みがよく、このエチュードのようにストラクチャーのしっかりしたものは、ターキーなどの皿と合わせると素晴らしいマリアージュを味わえる。

ピノ・ノワール100パーセントからのロゼは樽熟もしている
ピノ・ノワール100パーセントからのロゼは樽熟もしている

ワインの色調が際立つ、ワイナリー独特のボトル・ディスプレイ
ワインの色調が際立つ、ワイナリー独特のボトル・ディスプレイ

ローレル・グレン・ヴィンヤード (Laurel Glen Vineyard) Sonoma
熟成も可能な飲み応えあるロゼ

ソノマの町のすぐ北、グレン・エレンにワイナリーはあり、1880年代にドイツからの移民が拓いた畑を1970年代に再び整備し直し、スタート。その畑は標高300メートル以上のソノマ・マウンテンの斜面に広がっていて、オーガニックで栽培されている。2012年が初ヴィンテージとなるロゼは、半分のカベルネ・ソーヴィニョンに残りは複数の品種のブレンドとなっていて、ブドウの樹齢は高く、その名もクレージー・オールド・ヴァイン・ロゼ。ステンレスのタンクで発酵、1時間のマセレーションできれいなピンク色を出し、マロラクティック発酵は起こさずに瓶詰め。一般的にロゼは若飲みとされているが、十分な酸と構成が感じられるローレル・グレンのそれは、数年の熟成でさらにうまみが増す。

美しいサーモン・ピンクのロゼ。熟成も可能
美しいサーモン・ピンクのロゼ。熟成も可能

高い樹齢のブドウが植えられている畑。ロゼもここから生まれる
高い樹齢のブドウが植えられている畑。ロゼもここから生まれる

マイナー・ファミリー・ワイナリー (Miner Family Winery) Napa
深みある風味のロゼは、カリフォルニアでは珍しいサンジョヴェーゼからつくられる

モンダヴィやオーパスなどが軒を連ねるナパのど真ん中、オークヴィルの東の高台にあるワイナリーで、設立は1998年と若いものの、その辺のよくあるワイナリーとは一線を画するワインを生んでいる。ワインとなるブドウはそれぞれ最上質のものを買い入れ、例えば複数の畑からつくるシャルドネは、ナパのハドソン・ヴィンヤードやハイド・ヴィンヤードから調達。そしてピノ・ノワールはモントレー・カウンティのサンタルシア・ハイランズのゲイリーズ・ヴィンヤードからと、カリフォルニア・ワインに詳しい向きには、このワイナリーがただものでないことが分かるハズ。で、ロゼもナパの北、メンドシーノのサンジョヴェーゼからつくられていて、3割ほどセニエの果汁も用い、色合いもやや濃い目で、深みある味わいのものに仕上がっている。

イタリア系品種サンジョヴェーゼからつくられる、ちょっと珍しいロゼ
イタリア系品種サンジョヴェーゼからつくられる、ちょっと珍しいロゼ
ロゼの生産量は700ケースほどしかなく、ヴィジターへの販売で完売してしまう
ロゼの生産量は700ケースほどしかなく、ヴィジターへの販売で完売してしまう

ペドロンチェリ・ワイナリー (Pedroncelli Winery) Sonoma
ジンファンデルからつくられる愛らしいロゼ

ナパと並ぶ二大ワイン産地、ソノマ。その北に位置するガイザーヴィルの町のすぐ西、ドライ・クリーク・ヴァレーはジンファンデルで有名な産地。ここにペドロンチェリはある。初代がイタリアからの移民としてワイナリーを設立し、現在3代目となる一族がファミリーで運営する。イタリアからの移民らしく、同国とゆかりの深いジンファンデルを殊のほか大切にしてきて、赤のみならず、ロゼもジンファンデル100パーセントからつくる。ペドロンチェリのフラッグシップとなる、赤のジンファンデル・マザー・クローンからのセニエ果汁も用いつくられるロゼは、極力酸素に触れないような工程を経るためその美しい色調とフレッシュな風味が保たれている。ジンファンデルからつくられる、うっとりするほど愛らしいサクラ色のロゼ、ぜひお試しあれ。

ジンファンデルから生まれるロゼは、ドライでありながらとてもやさしい口当たり
ジンファンデルから生まれるロゼは、ドライでありながらとてもやさしい口当たり

ワイナリー周辺の35年以上になる高い樹齢のジンファンデル。ロゼにも用いられる
ワイナリー周辺の35年以上になる高い樹齢のジンファンデル。ロゼにも用いられる

セバスチャーニ・ヴィンヤーズ・アンド・ワイナリー (Sebastiani Vineyards and Winery) Sonoma
ふくよかな口当たりのロゼは、ちょっと変わったブドウから生まれる

その名前からも分かるとおり、イタリアからの移民として初代サミュエルが前世紀の初頭、ソノマにワイナリーを設立、以来100年を超える歴史を紡ぐセバスチャーニ。生産するワインはカベルネ・ソーヴィニョンとピノ・ノワールを中心に17アイテムを数え、ソノマというよりカリフォルニアを代表するワイナリーのひとつ。

ロゼは、ソノマより500キロメートル以上南の冷涼な気候で知られるサンタバーバラのサンタ。イネズ・ヴァレーからのグルナッシュを主に、同じサンタ・バーバラ・カウンティのサンタ・リタ・ヒルズ産グリューナー・ヴェルトリーナー、それに少量のシラーというちょっと変わったブドウからつくられる。ドライでありながらもふくよかな口当たりのセバスチャーニのロゼ、料理とのマリアージュが広がる。

セバスチャーニのロゼはグルナッシュ、グリューナー・ヴェルトリーナーなど、カリフォルニアでは珍しいぶどうからつくられている
セバスチャーニのロゼはグルナッシュ、グリューナー・ヴェルトリーナーなど、カリフォルニアでは珍しいぶどうからつくられている
美しいロゼを生み出すワイン・メーカー、マーク・ライアン
美しいロゼを生み出すワイン・メーカー、マーク・ライアン

シルヴァラード・ヴィンヤーズ (Silverado Vineyards) Napa
小高い丘に建つワイナリーで愉しむ、絶景とロゼのマリアージュ

ワイナリーはナパでも最上のワイン産地であるスタッグス・リープ・ディストリクトにあり、ダイアン・ディズニー・ミラー(あのウォルト・ディズニーの長女。惜しくも2013年死去)が、伴侶とともに1981年設立。カベルネ・ソーヴィニョンの赤を中心にワインを生むが、ナパでは珍しいサンジョヴェーゼからのワインも生産している。そしてこのサンジョヴェーゼからは赤だけでなく、ロゼもつくっている。赤をつくるキュヴェからの5パーセント前後のセニエ果汁と、一昼夜のマセレーションを経たジュースを合わせ、美しい色調のロゼが出来上がる。なおサンジョヴェーゼの畑にはオリーヴの木々も植えられ、毎年ヴィンテージ入りのオリーヴ・オイルも少量生産している。

ロゼは戸外によく似合う
ロゼは戸外によく似合う

サンジョヴェーゼ・ロザート。サンジョヴェーゼの珍しいロゼ
サンジョヴェーゼ・ロザート。サンジョヴェーゼの珍しいロゼ
トレフェッセン・ファミリー・ヴィンヤーズ (Trefethen Family Vineyards) Napa
すべて自社ブドウだけでワインづくりをおこなうファミリー・ワイナリー

ナパの最も南、オーク・ノールにワイナリーと畑はある。南ではあるが海からの涼風が吹き込むため北部より冷涼な気候で、糖度は十分なものの酸のしっかりしたブドウが収穫でき、そのためカベルネ・ソーヴィニョンなどのボルドー系品種もよく育つが、加えてシャルドネやピノ・ノワールといったブルゴーニュのブドウにも最適な環境。この地で早い時期の1889年に拓かれたワイナリーを、1968年に現在のトレフェッセン・ファミリーが購入、以来家族で切り盛りしてきた。その冷涼な気候の特徴がよく反映したシャルドネが有名だが、ピノ・ノワールも評判で、さらにこのピノ・ノワールからつくられるロゼが人気。300ケースほどの生産量しかないため、例年、ワイナリーへの訪問客だけで売り切れてしまう。

出来たてのピノ・ノワール・ロゼ。2週間前に瓶詰めされたばかり
出来たてのピノ・ノワール・ロゼ。2週間前に瓶詰めされたばかり

創業者の孫娘ヘイリー。ワイナリーはファミリーだけで運営されている
創業者の孫娘ヘイリー。ワイナリーはファミリーだけで運営されている