ブルゴーニュ観光案内 – 4 – クロ・ド・ヴージョ城
ワイン造りの歴史遺産
(2014.05.14)
ブルゴーニュワイン造り発祥の地
クロ・ド・ヴージョ城は、ブルゴーニュワインの名声を高めた歴史的なシンボルである。1098年、クリュニーのモレーム修道院の院長 ロベールと10数名の同志によって「厳立シトー会」が創立された。その後、シトー会は信者から土地を寄進され、修道士たちがブドウ栽培を始めたのがこのヴージョの畑である。その後14世紀に、その畑を石の塀で囲い「クロ・ド・ヴージョ」と呼ばれるようになった。クロとは、石の塀で囲った畑の意味である。ヴージョで作られたワインは評判となり、ローマ教皇庁がアヴィニョンにあった時代(1309〜1377)には、教皇にも献上されていた。いまあるシャトーは、その時期に建てられたものを元に16世紀に建造されたものである。その後、フランス革命がおこると、修道院の財産は没収され、競売にかけられた。持ち主は何度となく代わり、さらに分割され、現在、畑は80人の分割所有となっている。
クロ・ド・ヴージョの城は、1944年にブルゴーニュ利き酒騎士団が買い取り、その本部となっている。利き酒騎士団は、正式名称をラ・コフレイエ・シュヴァリエ・デュ・タストヴァン(La Confrérie des Chevaliers du Tastevin)といい、ブルゴーニュワインの普及推進活動をする団体だ。11月の第3土曜日から行われるブルゴーニュ最大のお祭り、「栄光の3日間(Les Trois Glorieuses)」は、クロ・ド・ヴージョ城をオープニング会場としている。初日のメインイベントは、騎士団の新会員シュヴァリエの叙任式である。翌日が、オスピス・ド・ボーヌの競売会、そして、月曜日にムルソー村のシャトー・ド・ムルソーで行われる晩餐会で幕を閉じる。クロ・ド・ヴージョ城は、ブルゴーニュワイン造り発祥の地であり、ブルゴーニュワインの名声のシンボルである。